調査の概要

 本学は、教育目標を表す標語として「自立心・対話力・創造性」の3つを掲げています。そして、標語が示す資質能力として9つの能力を設定し、全学的に養成を図っています(参考ページ)。

 この3つの標語(9つの資質能力)に基づき、2018(平成30)年度から、毎年度前期に全学生を対象としてルーブリックを用いた自己評価による到達度調査を実施しています(4年生のみ後期の卒業研究等の終了直後にも実施)。

egquestionnaire

「自立心・対話力・創造性」に基づく到達度調査 ルーブリック[PDF:127KB]


 調査結果は、集計・分析のうえ課題の検証・改善に役立てるとともに、回答者に対しては自己評価レベルに応じてコメントを付した「個人別結果表」を作成しフィードバックしています。

fbsample-1

「個人別結果表」サンプル[PDF:276KB]


 本項では、調査結果の検証を通じて見えた本学学生の特長や、コロナ禍における課題等を紹介します。

調査設計上の狙い

・学生による自己評価ではありますが、ルーブリックを用いて各評価レベルで求められる水準を具体的に示すことで、極力回答の客観性が確保できるよう工夫しています。
・5段階に評価レベルを設定していますが、一概に評価レベルの値のみで高低の判断はできません(例えば、「評価レベルが3なので平均的である」というわけではありません)。値を見るだけでなく、ルーブリックに記述された水準と照合したり、学年・学期による違いや年次進行(進級)による変化等に着目しながら、学習成果の検証を行っています。

学年・学期による自己評価レベルの違い

 学年・学期による自己評価レベルの違いを、2018(平成30)年度以降、毎年度検証しています。

年次進行による自己評価レベルの推移

 年次進行(進級)による評価レベルの推移を検証しています。

 本調査は2018年度から開始されましたが、当該年度に入学した学生が2021年度に卒業し、1年前期から4年後期までの評価レベルの推移を検証することができるようになりました。

【凡例】
・比較検証のために、2019年度と2020年度の卒業生の推移も併せて示しています。ただし、それぞれ3年生と2年生の時に本調査は開始されたため、それ以前の回答データは存在しません。
・推移を検証するため、全ての回答時期で回答をした卒業生のみを集計の対象としています。対象とした卒業生の人数と、同じ学年の全卒業生に占める割合は以下のとおりです。
  2019年度卒業生:520名(63.8%)
  2020年度卒業生:148名(18.1%)
  2021年度卒業生:136名(13.9%)
・平均評価レベルは、1~5の選択肢を数値に置換し算出しています。
・カッコ内の値は、標準偏差(平均値からのばらつき)を示します。
・折れ線グラフのは、回答時期がコロナ禍であったことを示しています。

自己評価レベルの分布

 自己評価レベルの平均値だけではなく、分布にも着目しながら検証を行っています。

 ここ数年は、コロナ禍前後での分布傾向の変化に着目しています。変化の仕方は資質能力によって異なりますが、決して看過できない傾向が見られるため、教育上の課題として捉えて改善を図っています。