卒業生アンケート調査の回答者の内、協力を申し出てくれた卒業生を対象としてインタヴュー調査を行いました。

調査の概要

  調査対象:本学卒業生(アンケート調査の回答者の内、調査協力を申し出てくれた者)
  調査方法:オンラインでのグループインタヴュー(※1)

  調査設問:(1)現在の仕事について

         ・業務内容、労働環境

       (2)仕事で必要な能力について

         ・仕事で求められる能力と、それを感じる場面

         ・仕事で苦労している点

       (3)大学時代に学んだことについて

         ・大学時代に学んだことや経験が、生活や仕事で役立ったこと

         ・学んだことで記憶に残っていること

       (4)大学への要望について

         ・大学に改善してほしいこと

       (5)大学時代にすべきことについて

         ・後輩へのメッセージとして、大学時代にすべきこと

       (6)グループ別の質問

         ・卒業学科のカリキュラムに関すること等
  調査期間:2022年1月17日~2月9日
  対象者数:33名(※2)

 ※1 卒業学科等に基づき各グループ3名以下でグルーピング。

 ※2 調査協力を申し出てくれた卒業生465名のうち、卒業年度・学科等のバランスを考慮した上で、ランダムに指名。

回答結果

 回答結果を整理・分析したものの一部を紹介します。

1.社会で働く上で必要な能力・姿勢について
  • 「自分とは異なる社会的・文化的背景を持つ人々が存在し、多様な価値観が存在することを理解する能力や姿勢(多様性理解)」、「自分の考えを適切な手段・方法で表現し、他者に伝えて、理解を得る能力や姿勢(表現力)」、「立場や意見の相違を乗り越えて、他者と協力して行動する能力や姿勢(協働力)」などのコミュニケーション力や、「情報通信技術の活用能力」は職種に関係なく、多くの人にとって仕事で必要とされている。
  • 特に、「自分とは異なる社会的・文化的背景を持つ人々が存在し、多様な価値観が存在することを理解する能力や姿勢(多様性理解)」は福祉施設や学校等で様々な立場の人と関わる場面において必要とされている。また、「立場や意見の相違を乗り越えて、他者と協力して行動する能力や姿勢(協働力)」は、特にチームで仕事をする場面において必要とされている。
  • 海外企業や外国人とのやり取りのある仕事や学校教員には、「外国語の運用能力」が必要とされている。
  • 「自分の意志・判断で行動したり、自ら知識やスキルを身につけようとする姿勢(主体性)」の中でも、常に学び続ける姿勢や新しい情報を収集する力が特に必要とされている。
  • 「現状を分析して問題を明らかにし、その解決方法を見出せる能力(問題発見力)」の中でも、主体的に問題点を考える力が特に必要とされている。
  • 柔軟性・臨機応変に対応する力、判断力、観察力・洞察力を必要とする仕事も多い。

※ 太字の資質や能力は、本学が教育目標の中で掲げているものです(参考ページ)。

2. 大学時代に学んだことや経験で、生活や仕事で役立っていることについて
  • 「授業やゼミでの学びや経験」として、特に専門職に就職した人は、専門科目、資格取得のための授業が仕事の分野に直結して役立っている。また、情報通信技術・情報処理の授業や語学の授業での学びも仕事で役立っている。
  • 専門職を含め、職種に関係なく、マナーや女性のライフプランの授業は生活で役立っている。さらに、レポートや資料を作成する経験、グループワークの経験、プレゼンや発表の経験も、仕事をする上で役立っている。
  • 「実習、インターンシップ、フィールドワークでの学びや経験」として、学生時代に職場の雰囲気や実際の仕事の流れを経験したことが、就職して現場に出て直接的に役立っている。また、実習を通して地域の人々との関わりを学んだことも仕事に役立っている。
  • 「留学での学びや経験」として、語学の習得はもちろん、文化の違いを経験したこと、積極的なコミュニケーション力を身に付けたことが、仕事で役立っている。
  • 「課外活動での学びや経験」において、リーダーとして組織をまとめた経験や、地域の人々との関わりを持つ経験が、仕事で役立っている。
3. 本学進学後から主体的に学修するようになったきっかけについて
  • 実社会に近い内容(テーマ)を扱った授業(出生前診断の必要性を考えさせる授業、様々な国の文化を学ぶ授業など)を行うことや、大学内にとどまらず、実際現場で働く人と触れる機会が学生の学びに対する姿勢を高めている。
  • 自分が学びたい分野を集中して行える環境(教員からの熱心な指導、興味のある科目を多く履修できるなど)があった。
  • 第一線で活躍する専門家の意見の知識や意見を聞く機会が、印象に残り、その後の主体的な学修態度に関わっている。
  • 同じ目標に向かって勉強を行う友人の存在、友人との助け合いや切磋琢磨(競い合いなど)が学修意欲に関わっている。
  • 毎回の授業前後の確認テストなどで予習、復習の重要性に気づいている。小テストの点数は成績評価に直結するため、必然的に予習を行う環境になっている。

※ 本項については、アンケート調査の回答から、本学に進学した後に主体的に学ぶ姿勢が身についたと考えられる卒業生をリストアップし、ランダムに指名した上でインタヴューを行いました(2グループ計6名)。

4. 教育改善に向けた提案
  • 「大学へのアクセス方法の改善」として、大学専用バスの充実。
  • 「大学の設備、備品等の整備」として、自習スペース、パソコンが使用できる個室の拡張、老朽化した設備の更新(バリアフリー化)、黒板教室の設置、食堂の混雑緩和。
  • 「カリキュラムや履修システムの改善」として、カリキュラムの充実、柔軟性のある履修システム、プレゼンや発表機会の充実。
  • 「留学制度の改善」として、留学先や期間の充実。
  • 「学生対応の改善」として、より学生に寄り添った姿勢(事務局に対して)。